一世一代の大見得
あいつら、若僧だとなめているんだ。決意の程を見せてやらなければ。ほんの少し鉄を入れて形を整えると、私はまた大阪に向かった。私はこのとき、自分の顔は、自分でつくるものだということを学んだ。「ものづくりの前に、顔づくり」といったらちょっとキザだろうかと、苦笑しつつも悦に入っていた。事務局に一応謝罪すると、あっさりと許してくれた。というより、その形相に戦いたのかも知れない。誰もが私が大変な状況だったということを理解してくれたのだと思う。会議室へ行くと、さすがにみんなシーンとして着席していた。私は、一同を晩みつけると、静かにこう言った。「私、考えました。皆さんが、もし、この先も場所のことで争いを続けるなら、私、オークションをしようと思っているんです。まず、一番目を一億円から始めます。二三番目まで、皆さんで値段をつけていただきます。そうやって決めたあとで、一番安い場所だった会社に、集めたお金を全部お渡ししましょう」。一世一代の大見得だ。すると、「先生(こういう時になるといつも先生だ。もっとも髭の威力か?)、それじゃあ共同出展館じゃなくなってしまう」。私はすかさずこう言った、「そうでしよ。でも、皆さんがこれまでやってきたのは、そういうことじゃないですか。もし、共同出展館にしたいなら、私の言うことを聞いてください。テーマは、「朝な夕な」なんです。朝起きてから寝るまで、人間の生活には一時も無駄な時間はないんです」。